齋藤純一

公共性と自由/セキュリティ──社会的連帯の理由をめぐって 斎藤純一

「公共性と自由」ということに関してお話ししたいと思います。 公共性をどういうふうにとらえるか。私は、2つの基本的な次元を区別している。だいたい公共 性というと、「共通の」「共約的な」というふうにいくわけですが、もう1つ、むしろ非共約的である…

「第三の道」と社会の変容 ──社会民主主義の「思想」的危機をめぐって─ 齋藤純一

はじめに 1990年代後半、ヨー口ッパでは社会民主主義を標榜する政党が相次いで政権に復帰するという動きが見られた。96年イ夕リアの 「オリーブの木」政権、97年イギリスのブレア政権、同年フランスのジョスパン政権、 98年ドイツのシュレーダー政…

分断化する社会と生の保障 斎藤純一

I 社会の分断化 近代の政治思想は、国民社会をセキュリティの単位として位置づけながら、そのセキュリティの幅をしだいに拡張してきた。近代初期においては、社会契約論の思想に見られるように、生の保障の力点は物的な安全( phisical security )に置かれ…