関根康正

『ストリートの人類学』という批評的エスノグラフィーの実践と理論(『ストリートの人類学』総括) その3  関根康正

PDFで読む 3 ストリートの2つの見方―デリダ的差異からドゥルーズ的差異へ ここまで,(1)「冷酷さ」を漂わせる現代のストリートは,写真家の感性に人と街の分離として嗅ぎ取られる,二重に反転した後の姿をさらしていること,したがって,(2)その消去の…

『ストリートの人類学』という批評的エスノグラフィーの実践と理論(『ストリートの人類学』総括) その2  関根康正

PDFで読む 2 「管理社会」化の中のストリートとそのエスノグラフィーに向けて ネオリベラリズムは,ドゥルーズの言う管理型権力の社会に対応する(ドゥルーズ 1992。ドゥルーズによれば権力には君主型,規律型,管理型の3つの形態があり,現代はフーコー的…

『ストリートの人類学』という批評的エスノグラフィーの実践と理論((ベンヤミンの言う意味での「批評」である。まえがきでも触れたように,「芸術批評」あるいは「目覚めた歴史」というベンヤミンの方法,すなわち炎の比喩が結ぶ事実内容と真理内容の関係を意識している。ストリートの人類学は,その意味で芸術人類学であり,批評人類学であるはずである。芸術作品が現存する必然性は,この必然性を証明する批評行為によって達成される。不完全な言語としての芸術作品を完成させるのが批評である。芸術作品は批評を待っている。必然的に現存して

PDFで読む 序 本書の各章は,言うまでもないが,研究会の席上での発表と同じではない。各人の発表時の思考と3年半にわたる共同研究会の積み重ねとの交差によって実を結んだそれぞれの成果である。つまり各章は,それぞれの研究会メンバーの総括の意味がすで…

都市の歩道空間の聖化にみる 抗争場としてのストリート 南インドチェンナイ市における歩道寺院を事例に  関根 康正

都市の歩道空間をめぐって,異なる利害を有する 2 つのアクターが抗争している。一方は,市行政権力であり,都市計画の実践という観点から歩道を歩行者のために維持管理する。他方に,追い立ての恐れの中で歩道を不法占拠し生活の場にするホームレスの貧困者…